遠くへ行こうと思ってたのに、起きたのはお昼だった。
空の色も気持ちよくないし・・・と、なんとなく自分に言い聞かせる。
ただ、なんとなく電車に乗っていた。
”本川越”が終着駅の電車だったから、そこまで行こうと思った。
読みかけの本を読み終えた。
乗客もほとんどいなくなったし、ちょっとだけ横になって寝そべってみた。
なんとなく気分のままに歩いていた。
何を目指していたわけでもなく、知らない街が心地よく思えた。
小さな男の子に「こんにちわ」と声をかけられた。
ピンクの色に誘われて細道を進んだ。
「そっか、今日はすべての事が僕の為に用意されたものだったんだ」
この花に出会ってすべてを理解した。